合板類を使わず、化学物質過敏症やシックハウス症候群、アレルギー対策に拘ったお家のメンテナンスにて
今回は、お風呂の浴槽の取り替えをさせて頂きました。
高野槇を使った木製のお風呂を当初設置し、22年が経過しました。
浴槽の板と板との隙間が徐々に大きくなり、貯めたお湯の水位が下がるとの事で取替えましょうと。
お施主様は建築当時から遠方にお住まいで帰省時、半年に一度ぐらいの頻度でお風呂を使っていましたが、
浴槽の製造元に板の隙間について確認すると、毎日お風呂を使っていれば水分で木が膨らみ隙間無くお湯漏れも心配ないのですが
お湯が無い状態で乾燥が続き、たまに水分で膨らむを繰り返すと高野槇の板も痩せてくるので隙間が生じてくるとの事。
木製のお風呂の良さは木の香りもすごく良いですし、質感も柔らかく、暖かいですね。床のタイルは浴室用のコルクタイルを当初施工しました。こちらも磁器タイルのような冷たさは無く、肌触りが気持ちいいです。
お風呂以外の場所も点検させて頂きました。
下の写真は10年前の塗り替え時の写真です。当初と比べると若干色が薄くなっているように見えます。
外壁は1階は奈良吉野の杉板貼り、2階はモルタル壁にリシン吹付塗装で当初施工しました。
杉板は10年前くらいに一度塗り替えしています。定期的にメンテナンスで塗装すると長持ちしますし、軒が深い事で雨による経年劣化の進み具合も遅くなります。
内装の造作建具の建付け、漆喰壁、和紙クロスなどチェックしましたが悪いところもなく、当初より年月の経過で木材の色変わりから壁と床、柱など濃淡がはっきりしてきたように感じます。
訪問して玄関に入ってすぐに感じたことは、杉の香りがすごくすることでした。20年立ってもまだまだいい匂いで、とても気持ちよかったです。
新建材(いわゆる合板やプリントされた面材建具や形成された外壁材など)で安価でメンテナンスしやすい建材が一般的なのですが、
気候や風土にあった素材を使い、一つ一つ職人さんの手で造る家はメンテナンスを定期的にすれば長持ちしますし、年月が経つことで質感や見た目の変化が楽しめますね。